著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「議会を潰し軍事政権を」と働きかけた陸軍の橋本欣五郎

公開日: 更新日:
巣鴨拘置所から仮出所するA級戦犯の橋本欣五郎、鈴木貞一、賀屋興宣の各氏(左から、1955年9月17日)/(C)共同通信社

 暴力とテロの時代は人々の間に恐怖と陶酔、そして粗雑な発想を生む。考える、意見を述べる、議論をする、そういうことがなんとも生ぬるくなるのである。暴力は当事者にならない限り、カタルシスと結びついていく。近代日本の終焉期としての昭和が、結局は暴力で崩壊の道を歩んだという事実は確認して…

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