“顔パス”でキセル繰り返す…京都市営地下鉄職員と駅務区長が払った大きな代償
「お疲れさま。通るで~」
京都市交通局の男性職員A(27)は顔見知りの同僚にこう断り、勤務する市営地下鉄で「キセル」を繰り返していた。
もともと東西線「六地蔵駅」の駅で勤務していた職員Aは、異動先の車掌研修のため、勤務地が烏丸線「竹田駅」に変更になった。研修初日の5月9日、勤務を終えると、竹田駅で改札担当の駅職員と立ち話をした後、改札を通らず、そのまま駅構内に入場。地下鉄に乗り込み、乗り継ぎのため下車した京都駅では駅職員に「ゴメン、通してな」などと声を掛け、運賃260円を払わずに出場した。
これに味を占めた職員Aは、翌10日から28日までの間に計9回、無賃乗車を行った。
「通常、職員は駅勤務から車掌を経て運転士へとキャリアアップしていきます。職員Aは前日まで駅勤務でした。利用する京都駅か竹田駅で、同僚か後輩が改札業務に従事しているタイミングを選んで無賃乗車をしていた。顔見知りの職員がいない時は、回数券で入場していました」(京都市交通局職員課担当者)
IC乗車券で入場することもあったが、その場合は改札担当の駅職員に「間違えて入ってしまった」とウソをつき、入場記録を取り消させ、有人改札を通過していた。職員Aの「タダ乗り」を見逃していた駅職員9人は、男性職員が「交通局職員であるため、当然、定期券を所持している」と思い込み、提示を求めなかったという。