マー君欲しさにメジャーが大幅譲歩 「新入札制度」10月末までに合意へ
<MLB側の商売>
たとえ「60億円」を払っても、元を取れるだけの力が田中にはあるというのだ。加えてメジャーには今回、日本球界に譲歩しなければならない商売上の理由もある。前出のジャーナリストがこう言った。
「田中を手に入れる球団はもちろん、田中と対戦する球団や米球界全体にとっても24勝無敗でシーズンを終えた田中は商品として魅力的。日本からの観客動員、関連グッズの売り上げ、今後のテレビ放映権料に好影響があると、いまからソロバンをはじいています。つまりメジャーサイドはこのオフ、何が何でも田中を手に入れたいのです。そのためにも、来月から入札制度をスタートさせる必要がある。今回ばかりは日本側の要求をのむしかないのです」
名より実。どうやら米球界は高額な入札金を払う代わりに、来季からは田中でしこたま稼ぐ魂胆らしい。だからこそMLB側は以前のような強硬な態度を取らない。死んだふりをしているだけとの指摘もある。
実際、MLBには「田中のいる今回は日本側の要求を受け入れるが、入札制度はこれを最後に廃止すべき」という強硬論が渦巻いているという。
米球界なりのもくろみはあるにせよ、田中はこれで、莫大な入札金を楽天にもたらすことがほぼ確実になった。移籍への扉を“自力”でこじ開け、海を渡ることになる――。