元理事逮捕…日本ソフトボール協会トップはなぜ脅された?
「これは五輪の実施競技から除外されたことと決して無関係ではない」
日本ソフトボール協会の徳田寛会長(65)に脅迫文を送ったとして、同協会の元理事らが愛知県警に逮捕されたことに関して、競技関係者からこんな声が聞こえてきた。
今回の一件は元理事による審判資格の不正取得に端を発したものだが、そもそもソフトボールが五輪の実施競技から除外されたのも一因ではないかというのだ。
■金銭面の恨みか
日本が金メダルを獲得した北京大会を最後に五輪からソフトボールが消えて以降、日本オリンピック委員会(JOC)の競技団体ランクは「特A」から「C」に降格。ランクに応じて配分される年間の強化費は約1億円から3000万円前後にまで減額された。日本ソフトボール協会から各都道府県協会への運営費などの分配金は、最盛期の半分程度にまで減ったところもある。不況のあおりでスポンサー企業も次々に去っていった。
ソフトボール関係者によれば、日本協会は女子日本リーグ所属チームの本拠地がある県に優先的に運営費を配分しており、他県からはこれまでも不満の声が上がっていた。今回、逮捕された元理事のお膝元には女子の実業団チームがなく、日本ソフトボール協会からの補助金は少ない。そういう県は大会を開催する際、手弁当での運営を強いられることもある。「くだんの元理事らも身銭を切って切り盛りしていたため、現執行部には反感を抱いていたのではないか」(関係者)と同情を寄せる声もある。