スイング中は頭が動く
「スイング中、頭を動かしてはいけない」なんて、一体だれが言い出したのだろう。
身長が180センチ以上もあって、なおかつ手足の長い欧米のプロならともかく、ドライバーショットをするとき、バックスイングで頭をまったく動かさずにバックスイングするプロは日本では皆無といってよい。
1977年、日本人として初めて世界のメジャー(全米女子プロ選手権)を制した樋口久子はバックスイングで頭をかなり右に動かすのでスエー打法といわれた。しかしこのスイングを樋口に伝授した師匠・中村寅吉は「頭が動いても腰は動かないのでスエーではない」と言った。
「上体が右に動いても腰が動かなければまったく問題ない」と言って、寅さん自身、バックスイングで上体を右に動かして飛ばした。
ところが一般アマチュアは頭を動かすまいとして逆に左に動いている人が多い。頭が少しでも左に動くと、腰が伸びて右に動いてしまう。そのためにダウンスイングでは体が後ろに下がるようにして体重が右足に残り、振り抜くときに左足に乗っていくことができないでいる人が多い。