「マラカナンの悲劇」を回避 ブラジルにはまだツキがある

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「ブラジルは優勝する力はある。ただ……若い選手たちは、W杯特有のプレッシャーに慣れなければならない」

 大会前、元ブラジル代表GKだったジウマールは、ネイマールたち中心選手にW杯の経験がないことを不安視していた。ブラジルは1次リーグを2勝1分けで勝ち抜いたものの、完全に試合を支配していたとは言えない。決勝トーナメント1回戦でチリを相手にPK戦までもつれ込むことは必然だったのかもしれない。PK戦終了後、涙を流すネイマールの姿はブラジルが追い込まれていたことを雄弁に物語っていた。

 次の相手はウルグアイを破ったコロンビア。現在得点王のハメス・ロドリゲスを擁し、かなり厄介な相手である。ただ、ブラジルの選手はウルグアイでなくて良かったと胸をなで下ろしているはずだ。

 南米の国々はブラジルとアルゼンチンという攻撃力のある国と伍(ご)するために一般的に守備が強い。中でもウルグアイは激しく、汚い。元ブラジル代表監督だったドゥンガは「ウルグアイの選手から股間をつかまれたり、針のようなものを隠し持って刺されたことがある」と教えてくれたことがある。相手の嫌がることをやり、集中力を削(そ)ぐのだ。

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