サプライズだらけのJ召集に隠されたアギーレの“本音”
■W杯経験組への強烈なメッセージ
06年ドイツW杯後、ジーコ監督の後任・オシム監督が初代表メンバーを発表した際、18人中10人が代表初招集選手で占められ、センセーショナルな話題を呼んだ。もっとも、オシムはJ千葉の監督だったのでJリーガーたちを熟知していた。
アギーレは11日に来日する前、J1全チームの試合を収めたDVDが手元に送られ、ひと通り目を通した上に16日のJ1・浦和-広島戦、20日の天皇杯・FC東京-J2松本戦を観戦している。
とはいえJリーガーの知識量は、オシムとは比較にならないほど少ない。なぜアギーレは、若くてイキが良くて代表経験のない選手、代表歴数試合の選手ばかり呼んだのか?
「アギーレは会見で『まったくゼロからのスタート。走れない選手は呼ばない』と話していた。さらにFW皆川について『若くて攻撃的でハングリーな選手。代表に合っている』と評したようにチームづくりのベースにW杯経験者や欧州組を置くのではなく、Jリーガーを積極的に登用しながらアグレッシブな日本代表にしていくというメッセージが込められている――と感じさせられた。そのシンボル的な存在が、今回の代表初招集5選手ということです」(サッカージャーナリスト・六川亨氏)
W杯出場組にとっては、ここが正念場。アギーレ・ジャパンは10月、11月に計4試合の代表戦をこなすが、その頃にはFW本田圭佑(28)や香川真司(25)となんて、ひとりもいなくなっているかも知れない。