「楽をしすぎ」 野口みずきの師匠が日本マラソンの弱点指摘
――日本は男女とも年々、高速化するレースに後れを取っていますが。
「例えばマラソン選手が持っていた1万メートルの記録は、昔の選手の方が良かった。1万メートルで速い選手がみんなマラソンに転向するわけではないが、高速化している最近のレースに対応するには1万メートルの弱い選手は無理。男女ともに言えることですが、トラックでのスピードを今以上に磨くことは高速化するスピードマラソンに対応するために重要だと思う」
――練習での走行量が減っていることも低迷のひとつですか?
「走行量は個人差もあるので、一概には言えない。ただ、たまたま去年の東京マラソンで日本人トップ(2時間8分)でゴールした前田和浩君が『月間で1200キロ走りました』って言っていた。普通のマラソン選手が練習していれば、少なくとも1200キロぐらいは楽に超える。(女子の)野口がアテネ五輪で金メダルを取った時は2度にわたる35日間の事前合宿で1350キロと1370キロは走っていた。今の選手は走行量を増やすと故障を恐れていると思うが、走行量はマラソンの土台だ。並行して故障しない体づくりも大切だ」