世界体操初個人5連覇も…内村にはなぜ「ウチムラ」がない?

公開日: 更新日:

 万能タイプの内村が新技をマスターするのは不可能ではないが、置かれている立場がそれを許さないという事情もある。

 現在、日本の体操界が五輪や世界選手権で強く求めているのは、団体での金メダル。今回内村は、団体の平行棒は免除されて5種目に出場した。少しは負担が減ったとはいえ、床運動のスペシャリストである白井とは異なり、内村には全ての種目で安定した演技が求められるのだ。

 体操は試合本番で技の確実性を重視するため、練習で完璧な状態に仕上げた技だけ実施するのが鉄則だ。練習で成功した大技でも、完璧にマスターしていなければ、実戦で行うことはない。

 もうひとつは内村の美学だ。体操競技の採点は、技の難易度や組み合わせで上がる「Dスコア」と正確さを見る「Eスコア(10からの減点)」の合計である。「全種目のEスコアトップ」を目標に掲げた内村は、「世界で一番美しい体操」をアピールしたいのだ。この日の「跳馬」では、そのEスコアは圧巻の9.633。着地がピタリと決まると両手でガッツポーズを見せた。今の内村にとっては新技など、どうでもいいのだろう。

▼内村のコメント
「結果は金メダルで5連覇ですけど、平行棒と鉄棒で失速した。まだまだかなと思う。(5連覇できたのは)ミスをしないでやろうと、ずっと思ってやってきた。あとは着地ですね」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動