アイアンとドライバーで打ち方を変える
先週のブリヂストンオープンは小田孔明が1打差で藤田寛之を振り切り、今季ツアー2勝目を挙げた。優勝賞金3000万円を手に入れたことで、賞金ランキングトップに返り咲いている。
招待選手であったB・スネデカーは3日目のハーフ終了時点、体調不良で棄権となったが、ボクが注目したのが彼のトップスイング。金曜日の午後、トーナメント会場の練習場でスネデカーのスイングを間近で見たが、今どきの道具(クラブ)をうまく使いこなしていたからである。
では、スネデカーはどんなふうに道具(クラブ)をうまく使いこなしていたのか?
ドライバーを打つ時とアイアンを打つ時とでは、フェースの向きがガラッと変わっていた。ドライバーではテークバックでフェースを開かず、トップではシャットフェース。フェース面が空を向いていた。対して、アイアンではテークバックで徐々にフェースを開き、トップでフェース面は斜め45度。いわゆるスクエアフェースになっていたのである。
スネデカーだけではない。欧米のトッププロたちには、彼のようにドライバーとアイアンとでフェースの向きを変える選手が目立つ。なぜそんな面倒なことをするかというと、彼らが使っている道具(クラブ)はドライバーとアイアンとで重心距離が大きく異なり、アイアンに対してドライバーの重心距離が非常に長い。ゴルフクラブは重心距離が長くなるほどヘッドが返りづらくなり、インパクトでフェースが開きやすくなる。スネデカーはこの重心距離の違いに対応するため、ドライバーを手にした時は、アイアンの時よりもフェースをシャットに使うことで、インパクトでフェースが開かないようにしているのである。