FA権行使の阪神・鳥谷 「悪条件でもメジャー行き」の理由
FA権を行使した阪神・鳥谷敬(33)のメジャー移籍が確実視されている。
現在、米アリゾナ州フェニックスで行われているメジャーのGM会議では、すでに複数球団が興味を示している。鳥谷自身も周囲に、「日本(阪神)より条件が悪くてもメジャーに行く」と話しているようだから、阪神が年俸ベースで5億円の複数年契約を提示しようと、残留は絶望的だろう。
それにしても気になるのは、「なぜ条件が悪くてもあえて行くのか」という点だ。鳥谷がメジャーに移籍しても、年俸はせいぜい1億円程度で、レギュラーの保証もない。いくら本人に「長年の憧れがある」とはいえ、30歳を越えたベテランの挑戦は理解に苦しむ。しかし、本人と親しい関係者によれば、「将来を見据えた鳥谷らしい思惑があるからこそ今、海を渡るんですよ」とこう続ける。
「トリ(鳥谷)は将来、間違いなく指導者になる。メジャーを経験していれば、後々財産になるし、逆に知らなければ、若い選手やメジャーを知るコーチになめられる恐れがある。だからこそ今のうちにメジャーを経験しておきたいのです。今や野球解説者やコーチなど、多くの指導者が『元メジャーリーガー』という肩書を持っていますからね。トリはプライドが高いから、そういうことまで考えているんですよ」
日本人内野手は、メジャーでの評価が低い。鳥谷はマイナー覚悟で一から泥にまみれなければ、「財産」どころか「メジャーリーガー」の肩書すら危うい。