阪神・西岡のケガで改めて感じた 10億円がパーになるプロ野球の恐ろしさ
先発とリリーフでは、生涯賃金で億単位の差が出る場合がある。20代後半になってくると、引退後の生活を安定させるため、稼ぐならやっぱり先発だよな、という考えが出てくると思うから描いたシーンだ。
登場人物に徳永というラジオ解説者がいる。年収300万円。徳永の現役最終年の年俸は1800万円だったから、翌年は住民税で大半を持っていかれる。ただ彼のように解説者になれる人はごく一部だけと思う。
トップ級のベテランの選手が「僕は野球しか出来ない。ボロボロになるまでやります」と言う。実は引退後の不安を感じていて、1年でも長く現役にしがみつきたいと考えているのかもしれない。何だかんだ言っても現役が花。現役時代に1円でも多く稼がないとダメ、という気持ちがあるのだろう。
連載が始まると意外にもサラリーマンの人たちが共感してくれた。私は漫画家になる前はサラリーマンだった。安定した企業に入れば、自営業よりもはるかに安定するのでは、と思っていた。でも今の時代、正社員でも業績を上げないとずっと会社にいられる保証はない。世の中、何をやっても大変。リスクを背負いながら働いている。