阪神・西岡のケガで改めて感じた 10億円がパーになるプロ野球の恐ろしさ
3月の巨人戦で阪神の西岡が守備の際に大ケガを負った。試合が止まり、救急車が入った。プロ野球の世界の厳しさ、恐ろしさを改めて感じた。
「グラゼニ」は当初、自営業者に向けて「自営はつらいよ」という意味合いを込めて描き始めた。私も漫画家で自営業者だが、プロ野球選手になれる人はものすごく限られている。毎年、ドラフトで70人ほど入ってきて、同じ数がクビになる。現役の平均年数は7~8年。10年もメシを食えない。
ダルビッシュのようなスター選手を主人公にするのではなく、年俸1800万円、高卒プロ8年目の中継ぎ投手・凡田夏之介を主人公にした。プロ野球界の底辺を描くことでその厳しさを伝えたかった。
そうなると、おカネの話は避けて通れない。プロ野球は年俸5億円の選手と500万円の選手が同じグラウンドで戦う。作中、夏之介は先発ローテ入りをかけた試合、自ら二塁へ走者をタッチにいき、クロスプレーで右手を骨折するシーンがある。一軍半の立場で、ここで負ければ二軍に落とされるかもしれない。ケガというリスクを背負って、人生をかけてアウトを取りにいく。