今季初優勝逃した松山英樹に「ゴルフ以外にも課題山積」の声
選手たちもそれを理解しているからファンサービスに熱心だし、寄付金を集めるためにプロアマにも積極的に参加し、協力を惜しまない。さらにB・ワトソンはがん撲滅、P・ミケルソンはピンクリボン活動、J・スピースは障がい者の施設でボランティア活動を行うなど、強いプロはゴルフ場の外でも慈善活動を行っている。日本ならゴルフが強ければそれで人気者になれるが、米国では認められないし、評価もされない。強くなればなるほど、相応の社会貢献が求められるのだ。
松山は、震災後に東北福祉大の学生としてボランティア活動をしたことがあり、2013年には1バーディーにつき1万円、1イーグルにつき2万円を被災地に寄付したことがある。ただそれが今でも続いているかといえば、全然話題になっていない。
「ツアーはファンがいてスポンサーがついて、はじめて成り立ちます。だから強さ以上に多くの人から尊敬されることが求められ、それは米ツアープロ一人一人の意識に根づいています。松山も“私はこういうチャリティーを行っていく”と自分から言い出さず、いつまでたっても慈善活動に消極的だと、トッププロとしてふさわしくないという烙印を押され、ファンやスポンサーから支持されません。強ければいいでは、ヒールとして生きていくしかありません。米ツアーで真のトッププロとして認められるためには、ゴルフ以外の部分で努力が必要なのです」(前出の吉川氏)