“経験者”橋本清氏がマー君心配 「肘痛消えても防御反応厄介」
「95年にいわゆる関節ネズミの除去手術を受け、右肘の不安が解消された。腕の振りも投げるボールも、本来の自分に戻ってきたという手応えをつかんだ直後のことでした。担当医からは、アマチュア時代からのオーバーワーク、勤続疲労が原因といわれた。そういう意味では、昨年7月に靱帯の部分断裂と診断されたマー君も同じです。彼は手術をせず、PRPという保存療法を選択、本人は会見で『順調に回復していて、去年より状態はいい』と言っていたので何よりですが、断裂した靱帯が再生したり、強度が増すわけではないですから」(橋本氏)
仮に痛みが消えても、厄介な問題が残るという。無意識に起こる「防御反応」だ。痛みを覚えている脳や体が勝手に反応して、筋肉が萎縮したりする。
「私の場合は痛みを我慢している期間が長かったので、防御反応も強く出た。自分では順調だと思っているのに、腕が振れなかったり、リリースの瞬間に力が入らなかったり。無意識に体の動きが制限されてしまうのです。経験からいえば、これが非常に厄介でした。それで知らず知らずにバランスを崩し肩に痛みが出たり、今まで経験のないような張りが腰に出たりした。マー君の場合は違和感を感じた時点で治療に専念したので、こうした懸念も少ないとは思いますが、練習と試合ではまったく体の反応が違ってきたりする。決して無理はしないことです」