星野仙一氏や元球団社長も嘆く「阪神スカウト」の“無能”ぶり
ある球団が阪神からトレードを申し込まれたときの話だ。要求された選手が余剰人員だったため、商談はすぐさま交換要員をだれにするかという点に発展した。その球団のフロントが阪神のファームの若手有望株を血眼になって探したものの、目ぼしい選手はひとりもいなかったそうだ。仕方なく、放出できる選手を阪神に聞いて、名前の挙がった3人の中の1人をもらうことにしてトレードは成立した。
12年ドラフト2位の北條史也内野手(20)や14年ドラフト3位の江越大賀外野手(22)らは、指名リストからも除外した球団があるほど。そんな選手たちを阪神は上位で獲得する。阪神の指揮を執る前年まで中日にいた星野仙一元監督は「阪神は(中日なら)3位か4位で取る選手を1位指名する」と話していたという。
阪神はそもそも、選手の仕入れ部門に問題があるようなのだ。01~04年、阪神の球団社長を務めた野崎勝義氏はこう言った。
「私がかつて12人いたスカウトを4人に減らしたのは、優秀なスカウトを招くと同時に、個々に責任をもってもらおうと思ったからです。けれども現在は、元の体制に戻ってしまっているような気がしてなりません。OBだから仕事を与えようとか、上司の受けが良いといった理由でスカウトにするケースもあるのではないでしょうか(今年はスカウトが11人)。有能なスカウトが、その能力を発揮しづらい環境、体制も問題だと思いますよ」