中国人選手と契約のMLB 野球普及を目指す“本当の狙い”
「中国で野球よりバスケットやサッカーが盛んなのは、ウマい選手のところにボールが集まり、ウマい選手が得点を挙げれば勝てるからです。ウマい選手もヘタな選手も平等にチャンスを与えられる野球はそもそも受け入れがたい競技、どうせならウマい選手だけが打席に入ればいいじゃないかというのが彼らのスタンスなのです」
■やがて日本人選手はとって代わられる
個人主義を超越して利己主義のかたまりみたいな国に、犠打などの自己犠牲が伴う競技は確かに浸透しづらいのかもしれない。
が、ここにきて、そんな現状が打破される可能性が出てきた。鈴村氏がこう続ける。
「米国防総省は対中国で強硬路線ですが、オバマ大統領は世界が多極化しても構わない、中国に対してもある程度の譲歩は必要で、付かず離れずの関係を維持したいと考えています。ケリー国務長官が新たな配慮をし、中国の意向に譲歩する姿勢を示したのもそんな背景があるからです。米国がかつて日本に対してしたように、民主主義を浸透させる手段のひとつとして野球を使う可能性もあります」