ゴルフ場「熱中症」対策の実情…評論家は危機管理不足を指摘
夏場はたとえ体力に自信があっても、強い日差しを浴びながら18ホールを歩けば、体への負担は相当なもの。熱中症による脱水症状が深刻な事態を招くこともある。こまめな水分補強は言うまでもないが、ビールやカフェインは利尿作用があり、脱水症状を促進するので注意が必要だ。また同伴競技者に迷惑をかけてはいけないと、具合が悪くなっても我慢したために、かえって症状が悪化することもある。
だが「こんな症状が表れたら、すぐにプレーを中止しましょう」と、注意喚起しているゴルフ場は少ない。すべてのゴルフ場がそうだといわないが、本来ならゴルフ場が率先して熱中症予防や対策を講じ、救護態勢を整えるべきなのに、ほとんど何もしていないのが実情だ。
評論家の宮崎紘一氏がこう言う。
「熱中症患者のおよそ半数が65歳以上の高齢者だというのに、多くのゴルフ場が何の対策も取っていません。飲み物や塩分補給の飴、あるいは冷感グッズを無料で渡すとか、プレー前に気温を伝えて注意を促すだけで意識が変わります。それがサービス業として最低の義務です。夏場は体温以上の気温になり、日陰も少ない。これほど危険な場所はなく、誰もが熱中症になる可能性があるわけです。高いカネを取っておきながら、危機管理意識はゼロ。死亡事故が起きて困るのはゴルフ場なのに、対策を怠っておきながら、死んだらイメージが悪くなると知らんぷり。目先の金儲けしか考えていないのです」
アマチュアゴルファーはこの時季、命懸けのプレーになることを覚悟した方がいい。