1年19億円契約を拒否 強気姿勢のFA岩隈に潜む“落とし穴”
メジャー4年間で47勝(25敗)を挙げ、FA投手の目玉の一人として注目されている前マリナーズ・岩隈久志(34)。
今季8月12日のオリオールズ戦で無安打無得点試合を達成した右腕には、マリナーズのジェリー・ディポトGMが「オフの補強はイワクマとの再契約が最優先事項」と断言。タイガースのアビラGMも「このオフは2人の先発投手を獲得する。岩隈も候補に入っている」と明言するなど、複数の球団の補強リストに名を連ねているとみられる。
岩隈は所属チームに優先交渉権が与えられるクオリファイング・オファー(QO)を拒否。今年の年俸上位125選手の平均額である1580万ドル(約19億円)の1年契約を蹴ってFAを選択した。
FA選手の値段に関してはスポーツ専門チャンネル「ESPN」(電子版)が14日、適正額を予想。その中で岩隈は「3年総額4000万ドル(約48億円)」と判断された。
しかし、FA市場で強気になり過ぎ、痛い目にあうケースも中にはある。
QOを拒否した選手を獲得する場合、移籍先の球団は旧所属球団にドラフト1巡目の指名権を譲らなければならない。そのため各球団とも、QOを拒否した選手との契約には慎重になる。生え抜きを育てて結果を出すチームが増えた最近は特にこの傾向が強いからだ。