沢村の二の舞も…巨人菅野に憑りつく「球速」という魔物

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 どこかで聞いたセリフである。

「相手を圧倒するピッチングをしたい」

 そう言って、自主トレ先のハワイへ旅立った巨人菅野智之(26)。現地では、走り込みやウエートトレーニングなどを中心に来季へ向けた下地をつくるそうで、「基礎体力をつけて、ストレートに対する意識を高めたい」と語っていた。

 思い出すのが、同僚の沢村拓一(27)だ。入団3年目の13年に「打者を制圧する」と公言し、オフから肉体改造に着手。自身に1日6食のノルマを課し、吐きながらバーベルを持ち上げて、ストレートの球速アップを目指した。しかし、その結果は散々。13年は5勝10敗、防御率3.13に終わり、翌14年は春のキャンプから右肩を痛めて復帰が7月までずれ込んだ。

「菅野は沢村ほど極端ではないにしても、原前監督には口を酸っぱくして『ストレートを磨け』『テクニック、小技に頼るな』『力投派、速球派を目指せ』と言われ続けてきましたからね。ともすれば、長所でもある器用さが先に立ち、かわす投球をしがちだったのは確か。スライダー、カーブ、フォークにカットボール、ワンシームと多彩な変化球があるだけに余計に年寄りくさい投球に映ったのでしょう。真っすぐを磨くのはもちろん必要なことですが、『制圧』『圧倒』と言われるとチーム内には沢村のトラウマがあるだけに、菅野は大丈夫だろうな? と心配してしまうところはありますよね」と、チーム関係者は苦笑いする。

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