高校3冠の東海大仰星が大学ラグビーの勢力図を塗り替える
王者は強かった。
11日、全国高校ラグビー大会決勝が花園ラグビー場で行われ、東海大仰星(大阪第1)が桐蔭学園(神奈川)を37-31で破り、2大会ぶり4度目の日本一に輝いた。春の選抜大会、夏の7人制大会と合わせ、昨年の東福岡に続く2校目の「高校3冠」の快挙。公式戦38連勝を飾った湯浅大智監督は「素晴らしい相手と素晴らしい場所で素晴らしいゲームができたことをうれしく思う。彼らがつかみ取った本当に価値ある勝利。おめでとうと言いたい」と頬を緩めた。
部員107人を誇る選手層の厚さと「6年教育」が武器。約50人の中等部との合同練習も多く、中高一体となった指導を受けられるのだ。中等部も昨年の全国大会3位の強豪。それでも今回の花園メンバー25人中、中等部出身は7人しかいないことでも個々のレベルの高さがうかがえる。そしてこのメンバーは、大学ラグビー界に風穴をあけるという期待も背負う。
「6年教育どころか、部員によっては東海大の4年間を含めた『10年教育』の選手もいる。仰星ラグビー部は東海大と連携しているため、主要メンバーは基本的に東海大へ進学するのが暗黙の了解となっている。昨年のメンバーではエース格だった小原が慶大に進学。かつての有名OBでは、大畑(元日本代表WTB)が京産大へ進んだ例はあるものの、東海大は毎年、ラグビー部は仰星、野球部は相模といった強豪付属高校からの内部進学者を軸にしてチームをつくるからです。3冠を達成した負けを知らない仰星の3年生への期待は大きくて当然です」(東海大関係者)