2試合連続予選落ち 岩田寛アメリカ挑戦1年目の“計算違い”
【キャリアビルダーチャレンジ】
「こんなハズじゃなかった」と、今ごろ後悔しているかもしれない。米ツアー参戦1年目の岩田寛(34)のことだ。
3日目を終え、通算8アンダー71位。1打及ばず今年に入ってから2戦連続予選落ち。これで2015―16年シーズンは7試合に出場して4試合目の予選落ち、最高成績も44位とサッパリだ。
14年の「WBC HSBCチャンピオンズ」で3位に入って、米ツアー参戦の足掛かりをつかみ、昨年下部ツアーとの入れ替え戦を勝ち上がり、ツアーカードを手に入れた。日本ツアーでは実績を残しており、ドライバー飛距離5位(292.79ヤード)、バーディー率1位(4.04)。ところが競争の激しい米ツアーになるとドライバー飛距離82位(293.8ヤード)、バーディー率220位(3.29)と成績が悪い。日本で培ったゴルフでは勝負にならないと、痛感していることだろう。米ゴルフ記者がこう言う。
「東北福祉大の後輩、松山英樹が米ツアーで活躍し、自分も十分にやれると思ったのでしょう。14年にはダンロップフェニックスで松山とプレーオフを戦っており、実力はたいして変わらないと自信を持っていたはず。しかし米ツアープロの多くは、トッププロが欠場する1月、2月の試合で成績を残してフェデックスポイントを稼ぐのが狙いです。勝てばその時点でマスターズにも出場できるので、若いプロたちは死に物狂いです。しかし、岩田は例年この時期はシーズンオフで、体を鍛えたり、軽くボールを打ったりする程度。つまり米ツアーでの戦い方にまだ慣れていない。しかも米ツアーは20代のJ・スピースなど、若手選手が台頭、世代交代が進んでいる。間もなく35歳になる岩田が体力消耗のきつい米ツアーで対等に戦うのは厳しいでしょう」
日本ツアーに舞い戻ってくる日も、そう遠くはないかもしれない。