初ブルペンをナイン絶賛 巨人菅野の豹変に「原退任」効果
「菅野にとって、伯父でもある原前監督は畏敬の対象だった。原監督はことさら菅野には厳しく、『3年間でホメられたことは一度もなかった。怒られっぱなし。とにかく怖かった』と菅野は振り返ってましたからね。昨季のCSの阪神戦で4回KOされた試合後には、顔を数センチの距離に近づけられ、何十回も『情けない!』と面罵された。殴られるかと思った、と言っていた菅野は、良くも悪くも原前監督の支配下にあったというか、強い影響を受けていたのは間違いないですからね」
その原前監督が計12年に及ぶ長期政権に幕をおろし、残された菅野は精神的にも一本立ちせざるを得なくなり、それがこれまで以上の自覚を生んでいるという見方である。
昨季は防御率1.91ながら10勝11敗と負け越して、CSでも2敗。負けない投手を目指し、このオフは「直球を磨いて相手を圧倒すること」をテーマに精力的にトレーニングを積んだ。昨年12月からハワイに向かい、遠投やウエートトレーニング、走り込みを中心に鍛え、さらには指先の力、握力を重点的に強化。目的と意識がより具体的になったのは確かに、「原前監督退任効果」かもしれない。「体は絞れているのに、見た目は一回り大きくなったような気がする」とチームメートは口を揃えている。
ひとり立ちが、さらに一皮むけるキッカケになるとすれば、甥っ子を「日本球界のエースに育てる」と言っていた原前監督も、ユニホームを脱いだ甲斐があったのではないか。