キック自慢の五郎丸 SR豪チームで克服すべき最大の欠点
南半球の強豪が集う世界最高峰リーグのスーパーラグビー(SR)に挑戦するレッズ(豪州)の日本代表FB五郎丸歩(29)が8日、本拠地ブリスベンで入団会見。日豪合わせて20人以上の報道陣を前に「キック力はレッズの中でトップクラスだと思う」と自慢のプレースキックをアピールした。
会見を終えるとチームの練習に参加し、同僚に交じって約1時間半、汗を流した。今後は同じフルバック(FB)で豪州人のカーマイケル・ハント(29)と定位置を争うが、現状ではライバルに大きくリードを許している。
レッズのリチャード・グレアム・ヘッドコーチ(HC=43)は豪州の地元メディアにセンタースリークオーターバックス(CTB)もこなすハントに関して「FBとして考えている」と断言。指揮官は昨季序盤にコカインの不法所持で6試合の出場停止処分を科された問題児を「チームメートとは試合中にコミュニケーションが取れているし、何よりも同僚からの信頼が厚い」と高く評価している。
FBはバックスの最後方に位置し、敵味方の陣形、動きをつかめるだけに攻守の鍵を握る重要なポジションだ。後方から自軍FWに指示を送ったり、連係プレーのサインを出す「ゲームキャプテン」を務める選手は少なくない。当然、コミュニケーション能力を求められるだけに、グレアムHCは外国人の五郎丸がフィフティーンとの連係が噛み合うか不安視しているのだ。
五郎丸は「英語が苦手」と公言し、入団会見では日本語で自己紹介した。開幕までに最低限の指示を出せるように英語をマスターする必要があるが、残された時間は短い。