松山は完治しない可能性も…ゴルファーの股関節痛なぜ厄介
2014年LPGAティーチャー・オブ・ザ・イヤー受賞者で、トレーナー資格を持つ戸軽明美プロがこう解説してくれた。
「スイングでの股関節の役割は、テークバックからトップにかけて右股関節に上体を乗せ、ダウンからインパクト、フォローにかけて左股関節の上に体重を移動させていきます。股関節を痛めるというのは左右のスイングバランスが悪い証拠です。股関節に無理をさせて、負担がかかっていることが十分に考えられます。そもそも股関節にも可動域に個人差があって、ゆっくりテークバックする松山クンは、トップをさらにグッと深くして無理をさせていたのかもしれない。股関節を痛めると、トップが浅くなったり、逆に無意識のうちに右腰を後ろに逃がすことになります。つまり、トップ位置が変わり、スイングに無理が生じ、インパクト前にパワーをロスしてしまう。それを体のどこかでカバーしようとなると、古傷を抱える左手首まで痛めることにもなりかねず、今は無理しないことが大事です」
■「完治は難しい」
かつて、股関節の故障に苦しんだ女子プロがいた。国内通算58勝を挙げ、7度も賞金女王になった、永久シードの涂阿玉だ。92年のシーズン終盤から股関節に違和感が生じ、その後、右太もも付け根の痛みが悪化した。