前半戦は苦戦必至 王者ソフトBに“パ5球団の結束”という敵
2年連続日本一を成し遂げ、12球団最大戦力を誇るソフトバンク。オープン戦もいまだ無敗とあれば誰もが優勝を予想するだろうが、“前半戦の成績”に限定すれば話は変わってくる。
あるパ球団スコアラーが「普段通りのペナントレースにはならないよ」とこう続けるのだ。
「今季はパ5球団すべてが『打倒ソフトバンク』だからね。昨年は全5球団が貯金を献上した。仮に貯金をつくったところで、ソフトバンクを叩かないことには優勝は見えてこない。他球団のスタッフとも話したが、そう考えているのはウチだけじゃない。エースを優先的にぶつけるのはもちろん、死球上等の内角攻めも躊躇しない。集めたデータの量も、これまでの倍以上だからね」
それでも長いシーズンだ。中には「やっぱりウチは3位狙いで」と方針転換をする球団が出てくる可能性はある。とはいえ、そうした動きは、おおよその趨勢が見えてくる夏場以降に表面化してくるもの。前半戦に限れば、5球団の結束が崩れることはないだろう。
巨大戦力を誇るソフトバンクにしても、序盤からムチを入れる必要はない。長い目で見れば、選手層の厚さは後々効いてくる。最初は他球団の好きなようにさせて、彼らが疲弊する夏場から反撃に出る作戦もある。
ソフトバンク対5球団となった今季のパ・リーグ。前半戦だけを見れば、必ずしもリーグ覇者が有利とは限らない。