広島スカウト熱視線 慶大右腕・加藤拓也“株急上昇”の理由
「すごく良くなっていますね」
広島の苑田聡彦スカウト部長が自ら切り出したのは、慶大の右腕・加藤拓也(4年)のことだ。
先日開幕した東京六大学の春季リーグ。開幕戦となった9日の法大戦で先発し、8回4安打1失点、10三振を奪う力投で勝利に貢献すると、翌10日はリリーフとして2回をゼロに抑えた。
最速153キロを誇る加藤は3月、米オリオールズのマイナーとの練習試合で登板し、4回を11奪三振という圧巻の投球を見せていた。苑田スカウト部長が続ける。
「先発はもちろんですが、リリーフでも十分にできる。1イニングだけなら、平均的に150キロを投げることができると思う。昨秋よりもストレートに加え、カーブ、フォークといった変化球の制球力が向上している。上体に頼った投げ方から、前足にも体重が乗るようになってきたのはいいことです」
加藤はいわゆる「アーム投げ」で、上体の力が勝った投げ方だった。球離れが早く、制球を乱すことが多かったが、昨オフから軸足でタメをつくり、スムーズな体重移動ができるようにフォームを改良したという。