打撃はワースト記録ばかり オリ選手抱える前監督の後遺症

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 最近のこと。パ・リーグのあるコーチが、オリックスの関係者にこう言ったそうだ。

「打者の多くは、ボールに合わせるようなスイングしかしてこない。投手からすれば、打たれたとしてもヒット、一発を食うという怖さがないのです。ウチの投手陣は『オリックス戦は思い切った投球ができる』と口々に話しています」

 オリックスは開幕から13試合本塁打なし。2リーグ制以降最長のワースト記録は、作られるべくして作られたというのだ。

 21日現在、チーム本塁打は12球団最少の6。そのうち半分の3本は糸井が打ったものだから、合わせにいく打撃をしている選手がいかに多いかが分かる。

 総得点60とチーム打率2割3分3厘はいずれもリーグワースト。一発がないならと、いきおい、相手投手に思い切った投球をされるようになり、ただでさえ低調な打線はいっそう湿っているようなのだ。

「前監督時代の後遺症ですよ」と、さるマスコミ関係者がこう言った。

「13年から指揮を執った森脇さんは、とにかく選手に見切りをつけるのが早かった。ファームで好調な若手を引き上げても、ちょっと結果が出ないとすぐ二軍に落としてしまった。若手は結果を求めるあまり、当てにいく打撃をするようになったのです。例えば得点圏に走者を置き、初球、甘いボールが来ているにもかかわらず、合わせにいって凡退とかね。特に若手は当時からのバッティングが体に染みついている感じですね」

 6年目の駿太(23)や5年目の安達(28)らは、高橋打撃コーチから「フルスイングせんか!」と怒鳴られる毎日とか。福良監督はその日の結果にとらわれず選手を長い目で見る方針というが、若手がトラウマから解放される日は果たして訪れるのかどうか。

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