周囲が理由詮索 “平常運転”のオリ金子に年俸5億円の呪縛
「まるでフツーの投手みたい」とは、キャンプ地を訪れた評論家の弁。オリックスの金子千尋(32)が定期的にブルペンに入る姿に驚いたのだ。
金子といえば、マイペース調整が代名詞。ここ数年のキャンプではブルペンはおろか、開幕まで実戦にもほとんど投げなかった。それでいて、13年は15勝、200奪三振。14年は最多勝と最優秀防御率の2冠を手にし、沢村賞にも輝いた。
それが今季は違う。ブルペンに何度も足を運び、キャンプ終盤には韓国斗山との練習試合に登板。金子が2月に実戦登板したのは、6年前の10年以来のことだった。
「金子は14年オフに4年20億円という破格の大型契約を結びながら、昨季は7勝6敗。頻繁に故障して、離脱を繰り返した。さすがに年俸5億円の選手が独自調整に失敗した揚げ句、2年続けてダメでしたでは言い訳できない。フツーの調整法はそういう背景があるんじゃないか」(冒頭の評論家)
金子は2日のオープン戦(ロッテ)に先発し、3回2安打1失点。
「去年と比べて凄い順調です。僕がこの時期に投げるのは珍しい? 普通に考えれば、この時期に投げるのは当たり前なので……」と話した金子。メディアは調整法の変化を「やる気の表れ」と評するが、この男の場合、それがプラスになるとは限らない。