勝てないマー君 同情のNYメディアから“戦犯”扱いされる日
■エースは「チームに貢献して当然」
田中の今季年俸は約23億円。チームではサバシア(約26億円)、テシェイラ(約24億円)に次ぐ高給取りだけに、結果を出して当然。ベラボーなカネをもらっているのだから、個人成績を残すだけでなく、チームに貢献してしかるべきという見方をされる。
例えばメジャー通算354勝のクレメンスはヤンキース時代、中3日登板も辞さなかった。同僚が予期せぬアクシデントに見舞われれば、代わりにマウンドへ。ケチの付けようのない成績を残すのはもちろん、チームの窮地を救うのがエースの務めだと考えていたからこそ、ニューヨークのファンやメディアの共感を呼んだ。
そこへいくと田中は前回まで5試合の投球数が、すべて100球以内。この日の102球が今季最多だった。チームのピンチを救うどころか、オフの右肘クリーニング手術や右肘靱帯部分断裂を考慮され、負担を軽減してもらっているという話もある。
ニューヨークメディアはこれまで、なかなか勝ち星がつかない田中の現状について、数少ない失投を悔やむ本人のコメントを載せるにとどまっている。中軸のテシェイラやA・ロッドを批判する記事ばかり目立つが、このままチームが低迷を続けるようだと怒りの矛先は最低限の仕事しかしていない田中にも向きそうだ。