勝てないマー君 同情のNYメディアから“戦犯”扱いされる日
この日の田中は、ボールを徹底して低めに集めた。スプリットがワンバウンドするシーンは何度かあったものの、ツーシームを軸に危なげない投球を続けた。
オリオールズは試合開始時点でチーム打率.266、チーム本塁打36本(いずれもリーグ3位)。強力打線を相手に、八回まで三塁を踏ませなかった。
試合は両チーム無得点のまま延長十回、ヤンキースのサヨナラ負け。借金はまた膨らんだ。メディアやファンはますます、戦犯捜しに目の色を変えるだろう。高給取りのエースならこの日のように援護がなくても踏ん張るべきだし、自己犠牲もいとわない。ニューヨークで生きていくには、そんなスタンスが求められる。