リオ五輪ボクシング 森坂・成松に国際協会“派閥判定”の壁
リオ五輪ボクシング代表で男子バンタム級(56キロ)の森坂嵐(20)、同ライト級(60キロ)の成松大介(26)が1日、リオに向けて出発した。
今大会は男子の2枠のみの出場。ロンドン五輪ミドル級金の村田諒太(現帝拳)、バンタム級銅の清水聡(現大橋)に次ぐ2大会連続のメダル獲得の期待がかかる。
森坂、成松とも「金メダル取り」を口にしているが、リオのリングでは不可解な判定に足を引っ張られかねない。
ボクシングの国際大会では統括する国際ボクシング協会(AIBA)の派閥の力学が勝敗を左右するケースがあるからだ。
アマチュアボクシング関係者によれば、例えば手数や有効打が互角の場合、ジャッジの裁定がAIBAの理事らに委ねられることもある。中でもAIBAの幹部の母国選手は有利な判定を下される傾向が強いという。
日本人選手の試合で後頭部への攻撃やホールドなど明らな相手の反則でも、レフェリーが見逃すケースは少なくない。日本人選手に限らず、試合後、判定を不服としてリング上で猛抗議する選手、コーチが後を絶たないのはそのためだ。
現在、AIBAの要職は呉経国会長(台湾)を筆頭にアルゼンチン、イタリア、トーゴ、カザフスタン出身者らで構成されている。これらの国の選手との対戦では不可解な判定に泣かされないためにも、クリーンでなおかつKO勝ちが求められる。森坂、成松ともレフェリングには要注意だ。