初一軍の巨人戦で猛打賞 中日・近藤“鮮烈デビュー”のDNA
こういう巡り合わせも面白い。一軍デビューとなった2日の巨人戦で3安打2打点と活躍した中日の近藤弘基(23)のことである。
「思い切って振っていこうと思った結果が安打につながった」
7月に育成選手から支配下登録されたこの2年目外野手は、近藤真市一軍投手コーチ(47)の長男。近藤コーチと言えばそう、高卒1年目のプロ初登板で巨人相手に達成したノーヒットノーランがいまだ語り草だ。
デビュー戦での快挙はもちろん、後にも先にもこの人だけ。その近藤コーチの長男が、同じ8月に同じ巨人戦で初出場を果たし、鮮烈な結果を残したのだから、「2番・左翼」のスタメンに抜擢した谷繁監督はもちろん、「これもDNAなのかな」とチーム関係者もビックリだった。
とはいえ、この日の中日投手陣は計6投手で7失点。投手コーチとしては笑っていられぬ試合になったが、息子の弘基が安打を打つたび、ベンチの親父には笑顔が浮かんでいた。5位に沈むチームは3連敗で今季最多の借金13。先発して4回4失点KOされた若松の二軍落ちが決まった。
「普通に投げれば抑えられると思っているんじゃないか。このままだったら同じことの繰り返し」
と、若松にオカンムリの谷繁監督。投壊は深刻で、近藤コーチが息子の活躍に目を細めていられるのもこの日限りとなりそうである。