日本いきなり剣が峰 UAE戦黒星でもハリル監督でいいのか
■大島、原口の使い方に疑問の声
もちろん日本が負けるべくして負けた──という要素も見逃せない。
「指揮官の選手起用と采配、選手たちのプレーぶりに対して疑問が残る」と話すのは元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏だ。
「アタッカー陣は、個人のアイデアに頼り切った《アドリブ的攻撃》を繰り返すばかり。中盤は組織立った守備ができていないし、DF陣にしても後半半ば以降、相手カウンターにさらされて失点するピンチが何度もあった。これはハリルホジッチ監督の選手起用、采配のまずさにも起因している。UAE戦でリオ五輪代表の大島が代表デビューを果たしたが、大島を評価して試合に出すのであれば、緊張感の増す最終予選初戦ではなく、どうして2次予選などで実戦テストをしなかったのか。原口の使い方にしても、交代した大島のポジションであるセンターMFで起用したのは大きな間違い。彼は攻撃の切り札であり、センターMFでは守備的なプレーも強いられ、それは原口の持ち味を生かし切れず、むしろ攻撃面の良さを消しているとしか思えない起用法です。局面に応じて4(DF)―2(MF)―3(FW)―1(トップ)のフォーメーションを変える柔軟性も感じられないし、これから先、ハリルホジッチ監督体制で最終予選を突破できるのか、日本サッカー協会はシビアに検証しないといけないでしょう」
現行の32チーム出場となった98年W杯のアジア最終予選以降、初戦に負けたチームが本大会に出場した例はない。受け入れがたい「疑惑の判定」もあったが、ハリルホジッチ日本、いきなり崖っぷちに立たされた。