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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

処分明けたシャラポワの“特別扱い”はそんなにおかしいか

公開日: 更新日:

■世界ランク262位

 非難の嵐、久々の実戦にもかかわらずシャラポワはベスト4に入り、ここで問題が再燃した。世界ランク262位まで戻し、これが微妙。全仏オープンはこの週に締め切り、昨年の予選カットラインは212位だったから本来なら出場は難しい。選手たちは、全仏までが予選あるいは本戦のWCを提供するのではないかと目をとがらせるのだ。

 メルドニウムは15年まで禁止リストに入っていなかったなど、シャラポワ側にも言い分はある。それはともかく、みそぎは済んだから、非難の矛先は大会主催者で、その大会側にも言いたいことは山ほどある。

 女子ツアー(WTA)は1970年、ビリー・ジーン・キングらの有名な「1ドル契約」で旗揚げした。昨年の賞金総額は1億3700万ドル(約152億8000万円)だ。男子ツアーの1億1913万8646ドルより多いが、では、知っている女子選手を挙げろと言われて誰の名前が出るか。シャラポワを除けばセリーナ・ウィリアムズくらいで、そのセレナは妊娠で長期休養を宣言……。

 スポンサーなしにプロツアーは成り立たない。そのためにもWCの枠は用意されている。シャラポワ前のアンナ・クルニコワという美貌の少女にはどこからでもWCが舞い込んだし、シャラポワの人気、実力なしに現在のリッチな状況は生まれなかった。ベテランのトーナメントディレクターは「私なら、スポンサーが反対してもシャラポワを取りにいく」と話す。誰が客を呼べるのか。

 ドーピングは重大問題だが、それを忘れたら閑古鳥が鳴く。全仏への出場可否は5月16日に出る。

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