千秋楽までもつの? ボロボロ稀勢の里は初日土でもう試練
7秒の完敗劇だった。14日に初日を迎えた大相撲5月場所。横綱稀勢の里(30)は1937年に双葉山が達成して以来、80年ぶりとなる初Vからの3連覇に挑むことで注目が集まっている。この日は皇太子ご夫妻が見守る台覧相撲となったが、いきなり黒星を喫した。
対戦相手は176センチ、145キロと小柄な小結嘉風(35)。稀勢の里は立ち合いで左差しを狙うも、嘉風の強烈な右おっつけに左を差せない。攻め手を封じられ、腰高で何もできないまま、簡単に押し出されたから館内は騒然。座布団も戸惑い気味にわずかに舞うだけだった。
支度部屋での稀勢の里は、「動き? 悪くはない。相手が強いから負けた。相手が上回っていたんじゃないですか」と、報道陣の質問に淡々と答えた。
先場所負った「左上腕筋と左大胸筋の損傷」というケガに苦しみ、ろくに稽古ができない中、11日に今場所出場を決めたばかり。患部のテーピングや初日の相撲を見る限り、まだ万全でないのは明らかだ。
八角理事長(元横綱北勝海)は「うまく攻められたよね」とこう言った。