進退かかる11月場所 横綱鶴竜に求められる“高いハードル”
勝ち越し程度では許されない雰囲気になってきた。
10月5日に始まる秋巡業に、初日から参加することになった横綱鶴竜(32)。11月場所は進退がかかるだけに、必然と周囲の目は厳しい。
今年は5、7月場所を途中休場し、9月場所は全休。逆転優勝を果たして再評価の機運が高まる日馬富士に比べて、鶴竜の影は薄くなるばかり。
それでも9月場所を休んだことについては、特に非難の声が上がらなかった。これは師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が事前に「次に出る場所で進退をかける」と、話していたからだろう。あえて窮地に追い込むことで、なけなしの時間を稼いだとも言える。
ならば鶴竜は次の場所で何勝を挙げれば、クビはつながるのか。
ある親方は「最低でも2ケタ勝利。と言っても、平幕相手に星をポロポロと落とせばどうなるか」と、こう続ける。
「結局、鶴竜はスタートダッシュを成功させるしかないでしょう。仮に序盤で負けが込めば、その時点で『引退すべき』という声が大きくなる。3月の大阪場所と並んで、11月の福岡場所はヤジが激しい。平幕にブザマに負けようものなら、会場にヤジが飛び交うでしょうからね。そうなると、鶴竜の相撲にも影響しかねない。決して気持ちが弱い横綱ではないが、場の雰囲気に流されやすい性格。ヤジなんか平気の平左、というずぶとさはないだけに心配です」
4横綱が3横綱になる日は、刻一刻と近づいている。