広陵・中村捕手1位指名も 広島は「投手が欲しい」が本音
背信投球だった。19日のDeNAとのセ・リーグCSファイナルステージ第2戦。広島先発の野村祐輔(28)は5回8安打4失点で降板した。
三、五回ともに満塁で痛打を浴び、緒方監督は「守りから攻撃のリズムができなかった」と嘆くしかなかった。
昨季は16勝(3敗)で最多勝を獲得したが、今季は9勝(5敗)。リーグ連覇を果たしても、チーム防御率3・39はセ3位で先発投手陣の不調に悩まされた。
そんな台所事情から、来週26日に控えるドラフト会議では即戦力投手を指名するかと思われたが、松田オーナーがさる14日、広陵高の中村奨成捕手(3年)を1位指名することを公表した。
今季の一軍捕手は主に38歳の石原、29歳の会沢の併用だった。次世代の捕手が欲しいのは確かだが、二軍に有望株が控える。巨人とのファーム選手権で逆転弾を放ち、MVPを獲得した高卒ルーキーの坂倉将吾(19=日大三高)である。
1年目の今季はウエスタン99試合で打率・298(リーグ2位)、34打点。来季売り出す予定の「打てる捕手」なのだ。松田オーナーは「坂倉と中村が育てば15年ぐらい捕手の心配はしなくていい。それだけの能力を持った選手が出てくることはそうそうない」と言ったが、地元放送局関係者がこう言う。