CS初戦でベイを完封 広島・薮田和樹を開眼させた母の献身
雨をものともせず“最終回”まで投げ切った。
18日、セのCSファイナルステージ第1戦(マツダ)は試合中盤から雨脚が強くなり、五回終了後、30分以上の中断を経て降雨コールドで広島がDeNAに勝利。先発した薮田和樹(25)は5回を2安打無失点で勝ち投手になった。
今季は中継ぎスタートだったが、野村が腰痛で離脱した交流戦から先発に転向。15勝3敗、防御率2.58で、最高勝率(.833)のタイトルを獲得した。規定投球回には到達していないものの、今季のMVP候補である。
「重圧のかかるところでしっかりと自分の投球をしてくれた」
試合後にこう言って絶賛した緒方監督は、9月29日にCS初戦の先発を通達したように、薮田に大きな信頼を寄せている。広島OBの山内泰幸氏によると、緒方監督は「一度失敗しても、次に同じ失敗を繰り返さないように、しっかり反省できている」と話していたという。薮田は足元が滑る雨中の登板が苦手だが、この日は「足が地面に着いてから投げること」を意識し、弱点を克服。山内氏が続ける。