OBもベテランも「NO」 中日二軍投手コーチ不人気の理由
クライマックスシリーズの裏で、各球団のコーチングスタッフが次々と発表されている。
新入閣に加え、他球団からの横滑りなどさまざまだが、そんな中で中日は編成部門と現場部門のシャッフルが行われた。今季途中には友利投手コーチが一軍投手コーチから編成に配置転換されたが、今月16日には編成担当の岩田慎司氏(30)が二軍投手コーチに起用された。岩田氏は昨季まで現役で、今年、背広組に転身したばかり。この編成と現場の“内部異動”は、球団全体でチームを育成するという狙いがあるらしい。しかし、岩田氏の就任は抜擢というより、苦肉の策ともっぱらだ。
「ベテランの岩瀬仁紀(42)や3年契約最終年を終えた山井大介(39)に現役引退とコーチ手形を用意したものの断られ、川上憲伸(42)などの中日OBにもフラれて頓挫。困った揚げ句、岩田にお鉢が回ってきたというわけです」(球界関係者)
中日二軍コーチの年俸は1500万円以上。悪い話ではないはずだ。なぜ中日の投手コーチ職はこんなに嫌われるのか。
「二軍に有望な若手投手がいないことが一番だが、森監督や御年89歳の白井文吾オーナーの進退によって、近い将来、首脳陣がガラリと変わる可能性が高い。仮に実績を残したとしても、それを評価してくれる人がいなくなればクビになる。さらに、コーチ職を安請け合いしたことで、OBと本社の派閥抗争に巻き込まれたくないという警戒心も働いているのでしょう。そんな状況下でコーチを押しつけられた岩田には同情する声も上がっています」(前出の関係者)
中日は来季もグラウンド外の方が盛り上がりそうだ。