育成できぬ阪神 金本監督の清宮外しは両者にとって大正解
「最初は清宮、安田といきましたけど、現場としては即戦力ということで。うちは先発の枚数が足りないんでね。いろいろチーム状況を考慮しての指名でした」
外れの外れ1位でMAX155キロ右腕、馬場皐輔投手(22=仙台大)の交渉権を獲得した金本監督はこう言ったが、清宮が取れなかったことは「両者」にとって良かったのではないか。
今季2位の金本監督は、3年目の来季こそ優勝したい。課題の攻撃力アップのために、韓国ハンファのウィリン・ロザリオ(28=右投げ右打ち)を狙っていた。この助っ人は今季、119試合に出場し、打率.339、37本塁打、111打点。昨季も127試合、同.321、33本塁打、120打点の好成績を残している。タテジマのユニホームを着ればポジションは一塁だが、「清宮が入団した場合、おそらく獲得を断念することになっただろう」と、あるOBがこう解説する。
「阪神の二軍には清宮を育てられるコーチがいない。打撃担当の浜中は指導力が疑問視されているし、今季引退して育成コーチになった新井も実績ゼロ。しかも2人とも右打者だ。もしも清宮を取ればキャンプはもちろん一軍。開幕後も一軍に置いて、左打者でパワーのあった片岡ヘッド兼打撃コーチと金本監督が付きっきりで教えることになったはずです。そうなれば一塁のスタメン起用もあるから助っ人は取らないでしょう」