最高条件で仮契約 苦労人の巨人ドラ1鍬原拓也“4つの武器”
巨人からドラフト1位指名された中大・鍬原拓也投手(21)が15日、都内のホテルで仮契約を結んだ。
契約金1億円、年俸1500万円、出来高払い5000万円の最高評価に「ドラフト1位という高い評価を受けたなと実感しています。親に旅行なり、何かを買ってあげたい。自分なりに親に恩返しできたら」と笑顔を見せた。
会見に同席した岡崎スカウト部長は「投球はしなやか。スポーツマンで好青年。明るくいつもニコニコしていて朗らか。そういう人間性も巨人軍の力になる。ドラフト1位の契約は、22歳(実際は21歳)の青年には緊張するのかなと思ったが、逆に我々の方が緊張した感じ。すごく度胸があるなと思った」と感心。その横で鍬原は「水道橋(駅)から(仮契約を行ったホテルに)迷ったので(東京ドームは)見ていません」とケラケラ笑った。岡崎部長が指摘した「明るさ」と「強心臓」も当然、評価のうちである。
■グラブに「親孝行」の刺繍
3歳の時に両親が離婚。母・佐代子さんに女手一つで育てられた。中学までは母の実家がある奈良県橿原市の家賃4000円の市営住宅で母と妹と暮らした。「倉庫を改造したような12畳くらいのところがボクの部屋でした」と鍬原は言う。手にした契約金の1億円で「母親に家? 買ってあげたいですね」とキッパリ。口をつくのはグラブに刺繍している「親孝行」の話ばかりだ。