ヤクルト復帰 メジャー7球団“渡り鳥”青木宣親の適応力
「打率に関しては衰えを感じません。メジャーに行って最初の3年間は、常に出塁率がリーグで20位以内。ボールをカットする能力も高く、選球眼が良いので、三振が少ない。日本人メジャーリーガーは3年目で苦労するといわれますが、年齢を重ねても動体視力が落ちていない印象があります。あれだけリーグとチームを転々としている中、安定した数字を残せるのは対応力にたけている証拠。狭い神宮球場をホームにすれば、ホームランも期待できるとみています」
メジャー7球団を渡り歩いたのは日本人野手では最多。順応性はトップクラスだろう。
ヤクルトは昨季、球団ワーストの96敗を喫して最下位に沈んだ。チームは再建を目指して首脳陣を刷新。宮本慎也ヘッドコーチを起用し、広島をリーグ連覇に導いた石井琢朗打撃コーチと河田雄祐守備走塁コーチを招聘した。
4年ぶりに指揮を執る小川監督は青木に、「精神的な面でも技術的な面でも、全てにおいて期待している。手本になる選手」と全幅の信頼を置く。チームの主軸である山田哲人ともWBC期間中に食事を重ねるなど、気心が知れている。優勝よりも土台づくりに着手するチームにとって、青木の加入は心強い補強だろう。
チーム内には、かつて互いの野球観を巡ってひと悶着があった宮本ヘッドとの関係を心配する声もあるものの、“劇薬”同士の化学変化もまた、起爆剤となれば面白い。