1カ月で克服なるか 大谷2失点初登板で露呈した3つの課題
■強く握れば前腕が張る
問題は滑りやすいメジャー公認球だ。岡島氏はこう言った。
「大谷君の生命線はストレートとスライダーです。ダルビッシュ君、田中君、前田君も使っていますが、メジャーでは先発投手がスライダーを使えないと長いイニングを投げるのは難しい。大谷君もシーズンを通じてローテーションを守るにはスライダーが必要になる。スライダーの精度を高めるには、今後のオープン戦の登板でまずは見せ球として使っていくしかないでしょう。カーブ、チェンジアップ、スプリットに織り交ぜながら、見せ球として使っていくうちにボールにも慣れてくる。そうなれば、制球も定まってくるはずです」
制球を定めるにはリリースポイントを安定させる必要があるが、ボールが滑りやすいだけに、どうしても強く握らざるを得ない。乾燥したアリゾナならなおさらだ。そうやってこれまで使う必要のなかった力を使うことで前腕が張り、やがて肘を痛めた日本人投手もかつてはいた。痛めた肘をかばえば、肩にも負担がかかる。アリゾナでのオープン戦は残り4~5試合に登板予定だが、入念なケアが必要になる。