今年も開幕3連敗の中日 剛腕ドラ1鈴木が唯一の明るい材料
竜党のストレスを吹き飛ばす、圧巻のデビューだった。
中日のドラフト1位右腕・鈴木博志(21=ヤマハ)が、1日の広島戦の八回に3番手としてプロ初登板。先頭の7番・安部の初球に投じたストレートが154キロを計測すると、スタンドがにわかにざわめき始めた。その安倍を4球で空振り三振に仕留め、続く石原は155キロの内角球で見逃し三振。代打の西川に対しても初球に155キロの剛球を投じて主導権を握り、二ゴロで3者凡退に片づけた。この日の全12球のうち7球が直球、そのすべてが153キロを超えた。鈴木博の登板時点でスコアは3―8。真っ赤に染まった敵地のスタンドで、肩身の狭い思いをしていた中日ファンの留飲を下げるには十分のインパクトを残した。
「キャンプで鈴木博のブルペン投球を見て、『惚れ惚れする球』とうなった森監督は、そのときから守護神に抜擢する構想を持っている。剛球と言うにふさわしいボールはもちろん、『ドラフト1位指名はメジャーに行くための通過点。世界一のクローザーになる』と公言する強気な性格も抑え向きです。今季の中日の数少ない明るい材料ですね」(地元放送局関係者)