加地亮<2>W杯は勝ち負けしか残らない魂と魂のぶつかり合い
本番2カ月前の監督交代という前代未聞の事態に直面した西野ジャパンとは違い、2006年ドイツW杯に挑んだジーコ日本は、前評判が非常に高かった。しかし初戦オーストラリア戦の1―3の逆転負けでもくろみがすべて崩れ、日本は惨敗。その渦中にいた加地亮は「W杯はホント一瞬で終わってしまう。とにかく今、できることをすべてやるしかない」と揺れ動く現代表にアドバイスを送った。
ジーコ日本は、MFに中田英寿、中村俊輔(磐田)、小野伸二(札幌)らを擁したスター軍団だった。02年日韓W杯のベスト16超えが期待されており、本番直前の強化試合ドイツ戦も2―2のドローだったが、強豪撃破寸前までいったほどだ。
この一戦で加地はシュバインシュタイガー(米シカゴMF)に後方から悪質なタックルを受け、右足首を負傷。大会辞退の危機に瀕した。
「連日リハビリを続け、とりあえず最終チェックでゴーサインが出た。ホッとしました。ただ『第2戦(のクロアチア戦)から』という条件付きでした。オーストラリア戦は、みんなに頑張ってもらうしかなかったです」