ベルギー不発でフランスに屈す 試合を決めた“2日間”の差
「ベルギーは不発に終わったFWルカクもそうでしたが、フランスの選手よりも疲労がたまっていたように思います。決勝T1回戦から準々決勝までの間隔が、フランスの中5日に対してベルギーは中3日でした。この2日間の差がコンディションに影響を及ぼし、スピードの違いになって表れたのかも知れません」
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、フランス代表の主将として98年仏大会優勝のメンバーだったデシャン監督は、満面の笑みを浮かべながら殊勲の選手を出迎え、会見では「今でも十分な競争力があるが、選手たちは2年後、4年後とさらに強くなっていることだろう。彼らを本当に誇りに思う。決勝では<謙虚になり過ぎたくはない>と思っている」とご満悦だった。スタジアムの記者席からフランスの勝利を見届けた元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏が「フランスの勝利に対する執念がひしひしと伝わってきました」とこう続ける。
「カンテ(27=チェルシー)とマチュイディ(31=ユベントス)の守備的MFの2人が、獅子奮迅の働きを見せました。ベルギーは、右SBに入ったMFシャドリ(28=ウェストブロミッジ)がサイドMFの位置でプレーすることが多く、右サイドに流れることの多かったデブルイネとのコンビネーションで何度も攻め入ったが、この強力2選手に相対する格好のマチュイディが、カンテとのコンビでしのぎ切ったのが大きい。さらにチーム全体の守備意識も非常に高かった。ベルギーのボールになるとフィールドプレーヤー10人が素早く自陣に戻り、FWグリーズマンをセンターサークル付近に残し、1トップのFWジルー(31=チェルシー)までが、中盤の深い位置で必死の形相で守備に奔走していました。攻守ともに熟成度の高いフランスが、その実力にふさわしい結果を残したと言っていい」
フランスは12年ぶり3度目の決勝進出。注目の決勝戦は、日本時間の16日午前0時キックオフだ――。