筋トレで覚醒 苦節10年の琴恵光は宮崎の星になれるのか
佐渡ケ嶽部屋 前頭14枚目
「ここ1、2年で随分とガタイが良くなった。これまでのパワー不足がウソみたいだ」
佐渡ケ嶽部屋のタニマチ筋が舌を巻く。
琴恵光充憲(26)は中卒で入門し、苦節10年以上。今場所、ようやく新入幕を果たした。宮崎県出身としては、戦後3人目、1974年の金城以来となる新入幕だ。
しこ名の「恵」の字は、元十両の祖父・松恵山から取ったもの。松恵山は引退後、故郷の延岡に帰って、ちゃんこ屋を経営する傍ら、地元で相撲道場も開いていた。孫である琴恵光は小学生時代、祖父から相撲の手ほどきを受けていた。
「でも、本人は相撲より柔道に熱心。中学卒業後は特待生として、地元のスポーツ強豪校、延岡学園に進学する予定だったそうです。それが中学時代、佐渡ケ嶽部屋の九州場所宿舎を見学した際、気持ちがグラリと揺れた。その後も毎場所、部屋から番付表が送られてきたこともあり、入門に至ったというわけです」(前出のタニマチ筋)
14年九州場所で十両に昇進したが、わずか1場所で幕下に陥落。15年3月場所で再び十両に復帰するも、前回同様、1場所で落ちてしまった。