快進撃の貴景勝 来場所の大関とりで試される「真の強さ」
重戦車さながらの勢いだ。ただ1人、1敗を守っている貴景勝(22)が21日も勝利。栃煌山を突き押しで攻めると、タイミングをずらしてからはたき込んだ。175センチ、170キロのずんぐり体形を生かした下からの攻めを武器に、これで10勝1敗。高安ら3力士が2敗で追っているとはいえ、初優勝も現実味を帯びてきた。
となれば、期待がかかるのが来場所の大関とりだ。大関の昇進基準は「三役で3場所33勝以上」。先場所は小結で9勝6敗の成績だった貴景勝は、今場所と来場所を合わせ、24勝以上なら条件をクリアできる。今場所すでに10勝していることを考えれば、無理な数字ではないだろう。
だがしかし、来場所こそが正念場だ。
貴景勝の突き押しの強さは、角界ではトップクラス。それでも、真正面から次々に対戦力士を粉砕している今場所ほどの強さは、以前にはなかった。ほとんどの力士は「ここまで強かったとは……」と目をみはっているはず。
三役経験のある某親方は「今場所と同じ相撲で勝てるかどうか」と、こう続ける。