白鵬が帰化決断 稀勢の里凋落でモンゴル勢が土俵“再支配”
やはり、荷が重かったのか。
今場所5日目から休場した横綱稀勢の里(32)。8場所連続休場明けの先場所は10勝5敗と復活の兆しを見せたものの、再び崖っぷちに追い込まれた。
立ち合いから考えなしに左差しを狙う単調な相撲で自滅。完璧に対策を取られ、格下相手に封殺される始末だ。
さらに稀勢の里を苦しめたのが、「一人横綱」の重圧だろう。ただでさえプレッシャーに弱く、大関時代は何度も綱とりに失敗した。場所前の稽古では「目標は優勝」と勇ましかったが、直前になっていきなり一人横綱であることを知るや、途端にトーンダウン。初日から4連敗した原因のひとつだろう。
そんな和製横綱の体たらくを、白鵬(33)、鶴竜(33)のモンゴル横綱はどんな目で見ていたか。2人とも同じ重圧を何度も味わいながら、そのたびにはね返した経験がある。稀勢の里は来年の1月場所で進退を懸けるというが、彼らモンゴル勢にすれば、もはや「敵じゃない」というのがホンネではないか。
モンゴル人力士は昨年11月場所中に発覚した日馬富士暴行事件から、ファンの間では白い目で見られてきた。同郷力士たちが参加しているモンゴル会は、ともすれば“互助会”として疑われかねない。部屋の垣根を越え、折を見て会合が行われるというのだから、いくら彼らが「そんなことはしていない」と主張したところで、世間はそう思ってはくれない。